こんにちは、さしみです。昨年末に、四つ子素数しか出せないルールの素数大富豪がゲームとして成立することが分かり、四つ子素数大富豪と名付けられました。それにドハマりしていろいろ探索していたら切り札となる素数や合成数がたくさん得られたので、基本となる四つ子素数と一緒に記事にしてみました。四つ子素数大富豪を極めてみたい皆さんの参考になれば幸いです。
四つ子素数に関してはまずここを参照してください。
https://primedaifugo.fandom.com/ja/wiki/%E5%9B%9B%E3%81%A4%E5%AD%90%E7%B4%A0%E6%95%B0
四つ子素数大富豪のルールの例として、こちらをご覧ください。
https://docs.google.com/document/d/12XAJ_PuLMoxq1Bd0FjhkA-r3kP4uQf0WvoXk6ViP5NE/edit
三四郎杯の参加は、ここで1月13日頃まで受け付けています。
https://forms.gle/p8UiX2pb3V4a1Hiq5
2枚出し
素数一覧
AX
TX
over系合成数
KK=K×TA
JJ=J×TA
K3=7×19
Q5=5^3
QA=J^2
J9=7×17
2枚出し四つ子素数はなんと2組しかありません。最大がT9のため、いくつかのそれよりも大きい合成数が存在し、ここではover系として全て挙げています。
3枚出し
素数一覧
19X
82X
2TJ/K
TJJ/K
985=5*197
4T5=5*821
4J5=5*823
4K5=5*827
6Q5=5^3*7^2
8Q5=5^4*K
3QK=7^4×K
3枚出しも素数は少ないです。また、ここから2TAXのような末尾が1の四つ子素数の下二桁を絵札で出す技が登場します。この形の方が大きくなりやすく、実際TJKは全て絵札です。overTJKはありませんが、いくつか使いやすい合成数が存在します。OTTYさんによる記事からもいくつか取り上げています。
https://otty8121013.hatenadiary.jp/entry/2023/12/18/195808
4枚出し
素数一覧
148X
187X
325X
346X
565X
943X
189J/K
5K4X
672J/K
8T4X
888J/K
99KX
36QJ/K
5T6J/K
over系合成数
5KQ5=5^4×821
(77JK=7^2×15737)
77QJ=7^2×15739
9QKA=J×TA×821
JQJA=7×J^2×K×TA
JKQA=TA×T3×T7
QK5J=K×17^3×19
(KKTA=TA×K001)
KKQ5=5^4×J×191
6TJK=17×191×1879
JTTK=7×J×144169
JQKK=7×1588759
J449=T7^2
J663=T7*T9
J88A=T9^2
2K3K=19×T3×T9
3JK5=5×J×5657
4TQ5=5^3×17×193
4Q8J=7×17×3469
46JJ=7×19×3467
4枚出しも全ての四つ子素数とover系、それに加えて使いやすい合成数を挙げておきます。最大の四つ子素数が5T6Kと小さく、over5T6Kは比較的多く存在します。ジョーカーが必須のものは最大でもなく実用性が低いですが、一覧という形式にするために載せています。
切り札という観点では、5T6Kは自分の手札が相手より少ないとき、組み切り終盤には心もとないです。ただし、over系はAの消費が激しいため、極端な話AAAA557Xと持っていれば通ります。より実用的なカウンティングの話としては、AかXを余計に持っていればKKQ5が返されないことを覚えておくとよいでしょう。
1/28追記:OTTYさんに既存のover系よりも強い合成数を2つ教えていただきました。探索した際に大きい四つ子の素因数を無視したため見逃していたようです。
5枚出し
K9QJJ/K
Q8Q4J/K
Q6T5J/K
J9J5J/K
JK87J/K
9K8KX
over系合成数
2KTQK=K×TA×T9×1489
QJ4TK=7×T7×197×821
TQQJA=7×J×K×TJJ
2TTQ1=J×TA×189J
3JQQ5=5^3×J^4×17
3KTQ5=5^3×7×J×3253
4TT2J=J×T7×34843
4KT3K=J×19^2×TA×T3
6Q8KJ=7^2×K×17×5659
83KQK=J×19×397757
5枚出しからは素数は切り札だけ載せておきます。全て数札のものはwiki等を参照してください。特筆すべきはK9QJJ/Kも、その次のQ8Q4J/Kも桁数の割に小さく、また前者と後者の間に一桁以上の開きがあることでしょうか。これにより、overK9QJKは一つしかないのに、K9QJJ/K以外には勝てる合成数が多数生まれています。面白いですね。
ただ、K9QJJ/K自体が揃いやすいので、それらの合成数が切り札として使える場面は限られてくるでしょう。2KTQKもoverKKQKJよりはかなり出現率が高く、K9QJKの過信も禁物です。
6枚出し
6JTJKJ/K
4JKTKJ/K
TK5KKJ/K
6JKK5J/K
JQTJQ5=5^3×7×17×19^3×T9
6QQKT9=J×19^2×823×1873
K3J8KK=7×J×TA×17J69
6枚出しには見栄えの良い切り札が2組もあります。また、都合の良い合成数は出現しなくなってきます。全体的にJやKの消費が多く、カウンティング次第ではより小さい素数でも素数では返されないのが特徴です。見た目では、少しTJKっぽい素数が多いですね。
ただし、JQTJQ5や6QQKT9はJやKを合わせて2枚しか消費しないため、JKX合わせて8枚持っているからなんでも通る、というような過信は禁物です。もっとも、それだけ絵札が良ければ最強の切り札や7枚出しでも十分勝ちやすいでしょう。
7枚出し
2QJJJTJ/K
JJ5JQKJ/K
83JTKQJ/K
4KQ4JTJ/K
4KJJJ7J/K
3TTT2KJ/K
2JKKQTX
9QT2TQX
72QQTQX
69QTJKX
36TTTKX
84QJK9J/K
8K72QQJ/K
8Q36KQJ/K
8TQ98TJ/K
48828Q5=5^J
7枚出しでは数札が先頭で1枚の素数は一組しかありません。また、切り札になりうる合成数は完全になくなります。局所的にJがKよりもはっきり重要になるため、Jを多く持っていればかなり優位に立ち回れます。しっかりとカウンティングしましょう。
また、絵札が4枚の素数は大きさよりも使いやすさを優先し、全ては挙げていないことにご注意ください。
8枚出し
8JTKJKQJ/K
5QKJJTTJ/K
8枚出しになっても大きい素数の状況はあまり変わりません。切り札を見る限り、JとKの両方が重要と言えるでしょう。
9枚出し以上
9枚出し以上については、切り札を素早く参照できるソースがないため割愛します。この辺りから絵札の枚数自体が重要になってくるため、必ずしも大きい素数が必要ではなくなるかもしれません。また、素数大富豪と同様に、11枚以上になるとラリーが難しくなるため、切り札はあまり使われないでしょう。それ以上になると超多枚に相当する素数になり、探索に計算資源が必要ですが大量に存在はします。
考察
出せる数が絞られて切り札に必要な札の種類に多少のバリエーションができただけで、本質的には四つ子素数大富豪は素数大富豪とあまり変わらないゲームであると私は考えています。全ての素数を覚えることが人間に不可能な7枚以上では、熟練したプレイヤーが覚えられる量に大きな違いはないからです。ただし、少なくとも現在はプレイヤーの知識量が人類の限界からは遠いため、それを念頭に置いて素数大富豪以上に甘いプレイングをしても勝てる場合もあるでしょう。
余談ですが、四つ子素数大富豪で出せる数は全て素数大富豪でも出せるため、結局いくら四つ子素数を覚えても絶対的な素数の探しやすさにおいて素数大富豪を上回ることはないんですね。まあそれは素数大富豪も強くなっているということなのでむしろ喜んでよいでしょうが。
さて、切り札に必要な札の種類に多少のバリエーションがあることは、素数大富豪と比べどのような違いを生み出すでしょうか。最も影響が大きいのは、ある手札で複数の切り札を持ちやすくなることだと私は考えています。
例えば、4枚→5T6K→7枚→2QJJJTK→残りという組み切りが考えられます。このような出し方は、素数大富豪におけるKJQJとKKKQQQJを両方揃えるよりも遥かに簡単に実現できます。5T6Kが弱く、over系で返される心配があるかもしれません。しかし、over5T6Kは軒並み使う札に偏りがあり、その後の組み切りを制限します。パスすれば、相手は不利な状態で戦うか、回収するかの二択を強いられ、後者であれば7枚出しで組み切ることができます。
ということで、返すのに重要な札を消費する切り札、絶対に通る切り札の二つを用意し、この順に構えることで組み切りを簡単にする戦術が有効だと考えられます。より素数大富豪における直観に反する例も出すと、最大の素数より弱い3QK=7^4×A3なども弱い方の切り札として活用できるでしょう。
ちなみに、素数大富豪においても近い戦術が存在します。例としてはdilshさんによる3枚→KKJ→超多枚→残りと組むものがあります。これは、相手がKKJにKKQやKKKを返すと手札が著しく弱体化するため、ミスや回収を誘うことができます。ただし、十分な枚数を持っていれば超多枚を返せるプレイヤーにはあまり通用しません。
https://dil-13.hatenablog.com/entry/2023/12/06/000333
さて、プレイヤーが実際に覚えていくであろう四つ子素数についても言及しておきます。数の限られる4枚以下や、既にある素数大富豪プレイヤー向けの資料が活用しやすい5~7枚は、多くのプレイヤーが一定のところまで習得するようになるでしょう。
8~10枚については未知数です。ラリー後に中途半端な枚数が残ると、特例による3枚出し以下の通常素数による上がりができなくなってしまいます。そのため、より少ない枚数より組み切り難易度は高いでしょう。初手に出して返されないことを狙うために大量の四つ子素数を覚えるプレイヤーは出現するかもしれません。
超多枚については、オンラインのルールではグロタンカットに相当するものもなく、6枚程度の残りの処理に困ることから、中枚と同様にあまり流行らないものと思われます。
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事の素数表で、素数大富豪プレイヤーが四つ子素数大富豪に参入するにあたって最低限知っておいた方がよい四つ子素数、プラスアルファはカバーできたのではないでしょうか。第一の目的として非本質的な(量ではなく、これを知らないとどうにもならないというような)知識の差による実力差を無くすことがあり、それに役立っていれば何よりです。もし抜けや間違いがあれば指摘していただけると助かります。それと、お願いになりますが、もし大きな合成数が他にあれば、ぜひ公開してください。
また、戦術の考察については後から見ると的外れなものもあるかもしれません。初期の記録として、後で笑うことができたらそれも悪くないと思っています。それでは、また素数大富豪か、四つ子素数大富豪の記事で、あるいは大会でお会いしましょう!