6枚12桁合成数の研究成果

こんにちは、さしみです。最近、ChatGPTが単純なコーディングにかなり使えることを今更ながら知ったので、いろいろと素数大富豪に関する研究に役立てています。実は前回の記事の四つ子合成数の記事にもその成果が使われています。

 

ということで、今回は、昨年末ごろに話題になった、奇襲用6枚出し合成数を紹介します。これについては、既にmickeyさん、dilshさんによる記事が出ていて、詳しく解説もされているので、まずはそちらを読んでみてください。

https://mickey57.hatenablog.com/entry/2023/12/26/000654

https://dil-13.hatenablog.com/entry/2023/12/06/000002

 

この記事は、そのような合成数をプログラムによる探索で大量に見つけたという、個人的な成果の発表になります。奇襲戦術を研究する人が増えるきっかけになれば幸いです(裏の目的として、mickeyさんが「手の内を明かしすぎるとまずい」と言って情報を出し渋っている、その独占を壊すというものがあります。ごめんね)。

 

 

合成数

まずは、下の表を見てください。

 

左から順に、6枚出しの合成数素因数分解、2枚使う札、3枚使う札、使わない札となっています。また、上段は3枚使う札がないもの、下段は絵札に限り3枚使う札があるもので、それぞれ大きさ順に並んでいます。

 

本当は、類似の合成数は大量にあるのですが、実際に使う際に考えることを減らせるよう、基本的な形のものだけを挙げています。その基準は、合計で消費する枚数が(17〜19枚が実用的である中)18枚であることと、札の被りが理論上最少またはそれに次ぐ量であることです。

 

そのため、極端に使う札の種類が多い(1種類抜きまで)ものばかり集まっていることには注意してください。逆に札の偏りがある場合には対応できていないということですね。また、dilshさんの記事との被りはありませんが、上二つはmickeyさんの記事に載っているのと同じものです(どちらも記事執筆時点)。最も使いやすいという言葉は、間違いではないと思います。

 

解説

毎度のごとく、使い方と揃う確率についても簡単に解説しておきます。

 

全出しに失敗すると手札が24枚になることが一般的ですが、その中にどれか一つ以上の18枚の組み合わせが揃っていれば、効果を発揮できます。残りの6枚を素数として出し、相手が合成数の方より小さい数で返してくれば、そのまま上がることができます。もし大きい数を返された場合、相手は絵札を6枚消費しているため、革命以外で勝つことが難しくなります。

 

より実戦的には、上の合成数は「Xを除くKが2枚以下で切り札による勝ちが難しく、12種類以上の札が揃っていて、一見して偏りが少ない」ときに探す価値があるでしょう。ただし、最低限使わない札くらいは覚えておかないと、揃っていなかったときのタイムロスが大きそうです。残りの6枚では知っている素数が作れればベストですが、3の倍数でなければHNP狙いもありでしょう。

 

では、実際にどれくらい揃うものなのでしょうか? mickeyさんが出している6%という数字が、こちらの検証でも求められました。これは、12種類の札のうち6種類が2枚ある組み合わせ全て、すなわち表上段のほとんどに該当します。ただし、QJQKTJだけは13種類のうち被りが5種類で、これはなんと9%の確率で揃います。

 

下段については、3枚の札があるため確率は低くなり、2枚が3種類のもので5.5%程度、4種類のものでは3%台後半となります。ただし、JやQが3枚ある、という条件下では当然見つかりやすくなります。

 

表のどれか一つが揃う確率とすると、上段のみでは29%、下段のみでは17%、全体では35%となります。ある程度出せるケースが固まっているため、一定より大きくはなりませんね。また、この数字は、Xが2枚あるなど他の方法で簡単に勝てそうな場合が多く含まれるため、実際に奇襲が最も有力なケースはそれより少なくなります。

 

ただし、Jが3枚あることを前提にすれば下段のうち4つだけを見ても28%揃う、という結果も特筆すべきです。Kが少なく他の絵札が多いなど、ある程度レアかつ不利になりやすい状況に特化して覚えておくのも有効だと思っています(そのために下段の表があります)。

 

また、この記事では紹介しませんでしたが、17枚消費や19枚消費を覚えておけば、1枚引いたりグロタンカットをしたりして複数回チャンスを得られるでしょう。

 

おまけ

上と同じ形の奇襲用ではありませんが、強い・面白い合成数を紹介します。

 

KTTJQJ=7^5×2J×36943

枚数が少ない上に指数があるため、とても揃いやすいです。さらに使う絵札の割にしっかり強いです。しかも一番大きい素因数が34369「さしみロック」の並び替えです。

 

QTJQTK=89^2×3J×49Q3

これもかなり出しやすい方です。大きめの素数の平方が含まれているのはロマンですね。

 

JJKTKQ=2^13×83×163417

これは2でたくさん割れます。実はOTTYさんが1年以上前に発見しています。

https://otty8121013.hatenadiary.jp/entry/2022/11/18/210212

 

TJQJKQ=2^4×3×29^3×86371

西さん、肉・肉・肉・ハム見ない!!!!!

二世さんに出してほしいです。出してほしいですが、最低24枚、欲を言えば30枚は集めないとなかなか揃わないかもしれません。

 

まとめ

以上、奇襲戦術に使える6枚12桁の合成数を紹介しました。いろいろと書きましたが、私個人としてはこのような奇襲は残念ながら(?)誰もが覚えるべき無敵の戦術にはならないと思います。もちろん決まれば強いのですが、発動条件が厳しく、揃っているかの判定が難しいです(この点についてはm型超多枚は偉大ですね)。また、その超多枚素数や通常の切り札と競合するケースが多く、頑張って慣れても勝率はそれほど上がらないと思います。

 

ただ、特定の状況においては最善に近い手になりうるため、楽しく覚えられるなら覚えて損はないでしょう。この辺は同じ合成数のHNCにも近いかもしれませんね。私のように気が乗らないなら超多枚素数をたくさん覚えるとよさそうです。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました! 6枚12桁合成数についての研究と情報公開が進むことを願っております。