2ヶ月で覚えた素数たち

こんにちは、さしみです。以前「1ヶ月で覚えた素数たち」という記事を出しました。その次の1ヶ月でもそれに匹敵する量の素数を覚えられたので、今回はそれをまとめて紹介します。自分用のメモのようなところが大きいですが、初心者~中級者が覚える素数の参考になれば幸いです。

素数

新型穂先(23×2個)

記事を出した3枚二刀流ですが、KQK/KJJに共通してつけられるだけの並びならほぼすべての組み合わせにあり、そちらの方が使いやすかったです。5枚5桁は独立して覚えやすい方法で覚えればいいわけで。

 

5枚5桁(23個)

ということで一応上と関連させつつ覚えているつもりですがあまり定着していません。

 

n枚2n桁(25個)

やはり全出し後の組み切りには必須です。6,7枚の代表的なもの(下のtierSくらいまで)と並びが単純なものを覚えました。

https://mickey57.hatenablog.com/entry/2023/08/06/022239

 

超多枚(13個)

何かと便利そうなので作ったのが下の記事に書いたものです。のちにdilshさんの98643型も一部覚えました。

https://greenplus.hatenablog.com/entry/2023/10/31/230215

https://dil-13.hatenablog.com/entry/2023/10/29/165138

 

7枚9桁四つ子素数(16×4個)

TとQが入っているものは使いやすいと思い覚えました。7枚出しはadvent calendarでまとめて紹介します。

 

7枚7~8桁四つ子素数(18×4個)

3TKさんの素数表を借り、偶数が多いものを厳選して独自の語呂をつけました。

 

6枚6桁(6個)

クローバー素数、などと称して968から始まるものを覚えようとしましたが、あまり定着していません。

 

4枚4桁(38個)

バラバラな中で、前回覚えていない1が入ったものです。当たり前ですが普通に使います。でも一部覚えているか怪しいです。4枚出しもadvent calendarで書こうと思っています。

 

4枚6桁(62個)

200個以上あるもの全ては覚えられないので強さと覚えやすさを重視して厳選しました。割と覚え方に自信があります。

 

9枚9桁(4×4個)

nishimuraさんに(前回の記事の前ですが)教えていただいた偶数消費型四つ子素数45456262X/86462428X/45566848X/82654654Xを(たぶん)覚えました。

 

6枚10桁(17個)

これも使いやすいです。ただ6枚6桁を覚えていないと攻撃的に使うことは難しいです(覚えていません)。

 

オバケや7枚出し合成数も増えていますが、こんなものでしょうか。実戦で使えるレベルなのは書いてある数よりも少ないと思います。とりあえず、前回と同様に枚数別に数えてみます。

 

4枚:100個(計155個)

5枚:29個(計56個)

6枚:29個(計47個)

7枚:144個(計190個)

8枚:48個(計102個)

9枚:19個(計27個)

11枚以上:13個

合計:282個

 

戦術

これらの素数を覚えても、先手で勝ち切れるときにやることはあまり変わりません。とはいえ、A3KQQTJのような形を初手で出せるようになったのは嬉しいポイントです。

 

また、全出し後は主に7枚出しや4枚オバケを使って組み切ります。余り札を調整しやすく、知っている素数だけで完結できることもあります。上手く組み切れないとき、使う切り札によって余り札が多くなるときは「部分組み切り」(要らない札で相手を妨害し、手番が回ってくることを祈る戦術。今後記事にします)など立ち回りで補います。

 

まとめ

上でも紹介した通り、全出ししてからやりたいことを通せる場面が出てきたのがこの1ヶ月の成長だと思います。

 

余談ですが、4枚6桁と7枚出しが効く場面、やはりcpu(ver.4)戦なんですよね。だいぶ勝ちが安定した気がします。

 

二刀流は決まれば強いですが、無理やり決まった形に持っていくより有効な戦術(絵札5枚など)がある場合が意外と多く、完璧にする必要まではないのかなと思いました。気長に覚えていきたいです。

 

今後の課題として、5~6枚はHNPに頼らずに済む可能性を少しでも上げるべく、強化していきたいですね。種類が少なく数個で役に立つ切り札などとは違い、地道な作業になりそうですが。あとは防御用や隠し玉として、9枚出し以上も覚えたいと思っています。この調子でまた300個いけるか……?

 

個人的な振り返りになりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

988型超多枚をひとつまみ

こんにちは、さしみです。先日、超多枚についての情報が少なすぎる! と嘆いていたらdilshさんがこちらの記事を書いてくれました。

dil-13.hatenablog.com

ということで、今回は、それに続く形で私がよく使っている988型超多枚を紹介します。いつもより小さめの記事になります。

 

素数

使う数札の並びは98876654432と、偶数を多くした形になっています。特に意識せずに作りましたが、最も有名と思われる998876654432から9を抜いたものでもありますね。

 

これの後につけて素数になる絵札2枚ずつまでの組み合わせは25種類ありますが、ここでは使いやすいものを厳選して挙げておきます。気になる方は各自で調べてみてください。

 

tj,qj,qtj

tqqj,kkqtj,tqktqj

qqtjtj,kktjqqtj

 

さらに、末尾の2と3を入れ替えた98876654423も素数になります。

 

特徴

他の超多枚と比べた特徴を中心にコメントします。

 

・枚数のバランスが良く、9を1枚しか使わないので出しやすいです。その分99始まりに劣ってしまうこともあります。

・tj/qj/qtjがとても覚えやすく、これを覚えるだけで13〜14枚出しに対応しやすくなります。

・残念ながら、有名かつ有用なkkqqtjの組み合わせで覚えやすいものはありません。

 

まとめ・超多枚について

超多枚は20枚出し以上という定義を鼎猫さんがしています。ただ、私は20枚を使いこなせるようにはなっておらず、12枚程度から超多枚という呼称を使うことがあります。私の認識を言語化すると「枚数稼ぎの数札部分と、出しやすさを上げる絵札部分からなる素数が、単体で切り札として機能し組み切りに貢献する枚数」辺りになるでしょうか。

 

ともかく、そのような素数は各人の研究成果がまだまだ表に出てきていない状況にあります。この記事が問題提起となり、研究や発表が盛んになることを期待しています。アドベントカレンダーも楽しみですね。

 

私も今後、9がない、一つの数が3枚あるなど、より様々な場合に対応した数札部分を研究していけたら良いなと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!

意外と当たる「全出し」の確率

こんにちは、さしみです。素数大富豪プレイヤーの皆さんは、最初に配られた11枚を並べて「全出し」したことや、切り札を出した数枚で知っている素数が作れず「勘出し」したことはありますか? 今回は、適当に選んだ数が素数である確率をもとに、1001チェックまで行った場合なども含め素数大富豪で勘出しが成功する確率を紹介します。実際の立ち回りでの考え方についても触れていきたいと思います。

 

先行研究

「全出し」とは、冒頭に述べた通り素数大富豪において持っているカードを全て使って数を出すことで「勘出し」とは、より広く、素数かどうか知らないカードの組み合わせを出すことです。タイトルではより浸透している全出しを用いましたが、この記事は一般の勘出しに対応しています。また、HNPとは、Happy New Primeの略で、勘出しが成功し素数に「出会う」ことを指します。

 

これらに関連して、以下のような研究が素数大富豪プレイヤーのmattyuuさん、カステラさんにより行われています。後者では、経験的に初手11~12枚全出しの成功率が1割強であるとされ、その説明もついています。

https://graws188390.hatenablog.com/entry/2020/12/21/192411

https://mattyuu.hatenadiary.com/entry/2016/12/06/022138

 

勘出しの様々な状況

これまでは、初手や20枚以上持っているときに適当にカードを並べて出すという文脈での全出しに焦点が当てられてきたように思われます。しかし、実際は勘出しでの勝利をある程度狙うことが可能で、この記事ではその方法にも注目します。基本的なことについては先に説明しておきます。

 

まずは、倍数判定です。全出しをする際に2や5の倍数となるのを避けること、3の倍数を判定することについては多くのプレイヤーが行っています。それに加え、ある程度暗算の速いプレイヤーは「1001チェック」という手法を用い7,11,13の倍数判定をすることができます。これは、1001=7×11×13であることを利用するものです。例えば、105107=105×1001+2よりこれはいずれの倍数でもないことが分かります。倍数判定に関するテクニックについてはみうらさんによるこの記事が参考になります。

https://k-miura.hatenablog.com/entry/2017/05/07/人力素数判定をしよう!

 

次に、勘出しの桁数を減らすことです。素数は数が大きくなるほど現れづらくなるため、同じ枚数でも桁数が少ないほど素数になりやすくなります(下一桁に気をつけている限り、絵札が入って特定の数字の組み合わせが多くなることによる確率の変化は無視できると私は考えています)。このため、57などで手札を減らしてから全出しするのが有効な場合が存在します。これについては後で詳しく考察します。

 

勘出しの確率

本題に入ります。まずはこの表を見てください。

桁数別のランダムな数字が素数である確率、5まで、13まで、29まで(969=3×17×19、2001=3×23×29が役立ちます)の倍数判定を通った場合の確率を載せています。私は5までと13までの場合の値をよく参考にします。また、桁数は手札の枚数+絵札の枚数(Xは数札としてもよい)で求められるため、初手は14~16桁となることが多いです。

 

使い方の例を紹介します。初手で、少し不利な絵札3枚の手札11枚を1001チェックまで通した上で全出ししたとします。14桁の行を見ると、16.6%と6回に1回もHNPできる、と読み取れます。あるいは、知らない数札5枚出しが残って、念入りに29までの倍数判定をしたとすれば、あがれる確率は約6割です。

 

さて、これらの値を見て皆さんはどう思ったでしょうか。意外と多い、あるいは確かにこれくらいはHNPできる、いろいろあると思います。私は、ここで出てくる確率を高いと思っており、特に1001チェックができる場合についての全出しに希望的な戦略を取ることが多いです。もし同じように思った方がいましたら、ぜひこの確率を意識して積極的に全出ししてみてください。

 

補足として、厳密には同じ桁数でも大きさによって素数の割合は変わるので、素数なら上がれる場合は絵札やAを先頭にしておくと少し有利です。

 

また、5までの判定は素数率3.75倍と大変お得ですが、1001チェックはさらに1.39倍とそこそこ、その後は2つ面倒なチェックを通して上がるのは1.21倍とコスパが悪くなっていきます。その後はものすごく計算が速くて97まで判定できてもさらに1.31倍にしかならないのは面白いですね。暗算が速い人が適度に強いのはバランスが良いと思います。

 

理論

上の表をどうやって作ったかについても解説しておきます。少し難しい話になるので飛ばしても問題ありません。

 

まず、素数の割合については既知の値を参照しました。n桁にはn-1桁以下を含んでいないので、よく知られた表より若干低くなっています。また、全く倍数判定をしない場合に限り、下一桁が偶数や5でない確率が素数大富豪では6/13と大きくなっていますが、ここでは補正せず1/2としています。

 

倍数判定については、素数pの判定を行うと素数の割合がp/(p-1)倍されます。これは、判定の前後で素数とみなされる素数の数は変わらない一方で、母数のうち1/pが脱落するためです。実際、プログラムを書いて検証したところ、7桁までの1001チェック通過という条件で、表から計算される割合と実際の割合はほぼ一致(差は0.1%以下)していました。

 

ところで、数が大きいほど素数が少なくなるという性質については、素数定理によってより詳しく述べられています。これは、素数の割合が、数の大きさの対数の逆数に比例するというものです。これを応用すると、倍数判定をしない場合の素数率が(2.3×桁数)個に1つであるという近似が作れます。これで、表にないものは、例えば20桁なら1/46(1001チェックをすれば5.2/46は1/9程度)というように簡易的に求めることができますね。

 

戦術

ここまでで、最低限紹介したかった確率は挙げることができました。これらを頭の片隅に入れておくだけでも、ここぞというときにHNPを狙いやすくなると思います。ここから検討するのは、特に知っている素数が少ない人、運ゲーを恐れない人向けの、貪欲に勝ちを狙う実戦的な戦術になります。ただ、私の現在のプレイスタイルに偏った内容になってしまった気がするので、飛ばしても大丈夫です。

 

まず、同じ初手の全出しでも、絵札の枚数によって失敗時の強さだけでなく、そもそもの成功率も変わってくることは分かると思います。このことから、先に述べた通り、手札を必要以上に増やすことなく、ときにはできるだけ減らしてから全出しする戦略が有効となる場合があります。

 

絵札2枚を含む11枚の初手、ジョーカーはなく和が3の倍数ではない場合を考えましょう。手札を25枚にしても絵札の枚数で勝ち切ることは難しそうですね。使いづらい5や6が重なっているなどで知っているオバケや多枚出しも揃う可能性が低そうとします。さて、ドローして全出しするのが最適解でしょうか。

 

もちろん場合によります。ブラフが出せて相手が引っかかりそう、そもそも相手が7枚出しを知らないなどイレギュラーな勝ち筋もあるでしょう。しかし、相手が強ければ強いほど有力なのは、ドローしないで全出しすることです。

 

なぜでしょうか。13桁の数を1001チェックまで通して素数となるのは17.9%と、即勝ちにしては高い確率です。これを1枚引いて14桁としてもあまり変わらないように感じるかもしれませんが、和が3の倍数、つまりどう並び替えても3の倍数の組み合わせになる危険があるのです。これは平均すると1/3ほど起こるので、全出しの成功率は約11%まで落ちることになります。かなり違いますね。

 

とはいえ、11枚全出しは次のターンにドローできても23枚と、通常の25枚に比べ札が少ないため不利になります。これでギリギリ多枚や合成数が揃わないことも結構多いようです。全出し失敗時の勝率が1割以上変われば、上のHNPの確率の差は覆されてしまいます。いくら不利でも25枚あればチャンスを作れる、という方は素直に毎回12枚全出しをするのが良いのかもしれません。

 

一応もっと手札を減らすのが有力な場合も考えられます。例えば、上手いカードの組み換えが間に合わず1001チェックできない、という場合は思い切ってグロタンカットで時間を稼ぐのも一つの手でしょう。先ほどと同じ条件なら、13桁から11桁に減る効果もあり、12.9%から21.2%という差があります。

 

ところで、勘出しはなにも初手だけで行うものではありません。手札が20枚以上あって、強力な切り札を抱えているのに、残りのカードで知っている素数を作れないという場面はよくあると思います。そのような場合にとりあえず手札を減らしつつ倍数判定を行い、残りを勘出しするというのは有効です。もちろん、4~6枚の素数を覚えていてそれを最後に出せる、という場合には大きく劣ります。それでも、ただで手番を渡したらやられる、と思ったら挑戦する価値はあるでしょう。

 

もし相手に手番を渡してしまっても戦えそうな場合は、余っているカードを先に勘出ししたり、10→10→4などの最初の10枚だけを勘出しにしたりするのも強いです。というか、こちらの方がリスクが少ないので慣れれば有力でしょう。不確定なものを先に出してしまうことで、失敗しても手元に戦える手札を残せるわけですから。この北大素数大富豪同好会さんの記事の(8)にも書いてありますね((5)の全出しについてなども参考になります)。

https://prime-hu.hatenablog.com/entry/2020/05/25/203419

 

この辺はまだ研究しきれていないので、上手い立ち回りを思いついたらぜひ発表してください。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。誰もがどこかですることになる「勘出し」に、中でも慣れてきたプレイヤーが初手にする「全出し」ですが、具体的な確率はあまり意識していない人もいたのではないかと思います。この記事を読んで、感覚でもいいので「当たれ18%!」とか「かわせ5割!」とか数字を思い浮かべられるようになったら、素数大富豪の楽しみ方が少し広がるかもしれません。

 

また、個人的な全出しの戦術についても語りましたが、もっと良い立ち回り、各人に適した立ち回りがまだまだ見つかるはずです。理論派の方には、ぜひこれを参考に研究を進めて、記事などで発信していただければ幸いです。

 

それではまた次の記事で!

1ヶ月で覚えた素数たち

こんにちは、さしみです。マスプライム杯で運よくベスト4に入ったという成功体験からモチベが急上昇し、この1ヶ月はほとんど毎日素数大富豪に触れていました。今回は、その研究と実戦からどれだけ「パワーアップ」できたのか、覚えた素数の数を概算しながらある程度客観的に見ていきます。始めたばかりのプレイヤーが強くなる近道を見つける助けになれば幸いです。

 

大会前

素数大富豪を5年前に覚えてからマスプライム杯までに覚えた素数はだいたい以下の通りです。

・2枚出し全て

・523「ゴツ美」88129「やばい肉」などの語呂素数

・82X,148X「石破」346X「三四郎」565X「ゴルゴ」8T4X「八頭身」などの四つ子素数

・8TK,KKJ,KJQJなどの有名切り札

 

これだけです、今見ると少なく感じます。カマトトなしの3~4枚出しで組み切るにしてもかなり運が良くないと難しいでしょう(今も同じことは言えますが)。かなり運が良かったです。

 

ところで、語呂素数を5年経っても覚えていた、というのは面白いですね。やはり頭に残るものなんでしょう。初心者の方はぜひ覚えてみてください。

 

それと、これをもって素数大富豪歴5年というのも、大会に出てからで1ヶ月というのもなんかしっくりきませんね。申し込んでからの2ヶ月くらいと扱うのがちょうどよさそうだと思っています。

 

大会後

これに加えて、大会後の1ヶ月で覚えた素数を、3TKさんの記事にならって順に紹介します。個数についても、既に覚えていたものを被らせつつカウントしていきます。

https://hana3101382283.hatenablog.com/entry/2020/12/13/renge

 

3枚3桁(全73個)

以下の記事の方法で、3枚3桁を全て覚えました。

https://greenplus.hatenablog.com/entry/2023/09/21/162258

 

21型素数(9×6個)

XQQ31(X=21,42,63,84,105,126)のように、前に21の倍数をつけて素数になるものです。四つ子素数のように揃う機会が多く、偶数も消費しやすいのでそこそこ使えます。いずれ小さめの記事にします。

 

n枚2n桁(15個)

5枚はKKから始まる3つで、それ以上の枚数はまだ覚えていません。

 

4枚4桁(40個)

バラバラで1を使わないものをXX23,XX29,XX47,58XXなどに分類しながら覚えています。これはすぐ記事にします。

 

TQ入り3枚4桁(全27個)

TやQが組み切りで余りがちだったので覚えました。

 

KQK/KJJ穂先(18×3個)

以下の記事に書いた3枚二刀流用の素数で、定着しているかは結構怪しいです。KKJ/KTJの21個ほども覚えたいです。

 

4枚二刀流(22個)

KJQJとKTQJで、偶数2枚のものが使いやすいと思って最初に覚えることにしました。定着しているかはかなり怪しいです。

 

奇襲用7枚11桁四つ子素数(3×4個)

9QT2TQXなどで、二刀流はできないが絵札が多いときに使います。今はTTQQを含むものだけを覚えていますが今後拡張したいです。

 

4枚7桁(9個)

1/2/4/8-QTJと1/4/7-JQKが使いやすいので覚えています。あとは8QTK,9KTJ辺り。cpu戦やオバケの組み切りに使うのでもっと増やしたいです。

 

9枚出し(8個)

986X54321(X=5,8,J,Q)と968X45123(X=2,3,6,9)が使いやすいので覚えています。98764321X(X=無,1,3,K)と894673X21(X=4,6,7,9,T,Q)の組も好きですが定着していません。

 

細かいものはオバケに含まれる1641389「ヒロシいざ焼く」などまだいくつかあると思いますがこれでほぼ全部だと思います。合計すると314個になりました。3枚出しが覚えやすいのと穂先素数が3倍になっているのが個人的に大きいと思いますが、結構な数になったと思います。

 

枚数別に見ると以下の通りです。

3枚:106個

4枚:55個

5枚:27個

6枚:18個

7枚:46個

8枚:54個

9枚:8個

 

戦術

これらの素数を覚えてできるようになったこととして、3~4枚出しの組み切りが安定しました。ペナルティが限定されたルールではそこそこの確率で反撃を許さず勝つことができます。一方で、二刀流が発動できる場面はまだ限定されています。

 

5枚出し以上は相手に出された場合や、全出し後に組み切る際に使います。オバケなどの切り札を除いた残りを綺麗に使い切ることができる場面はまだ少なく、今超多枚を覚えても同様だと考えられます。10枚以上はほとんど勘出しになります。

 

まとめ

一番覚えてよかったのはなんといっても3枚3桁や4枚4桁です。これらを安心して出せ、絵札を上手く使って勝ち切れたときが一番成長を感じます。初心者の方にもぜひこの原始的な組み切りの楽しさを味わってほしいですね。それと素数大富豪cpu(ver.4)はカマトトしない上に変なところで絵札を使ってくれるのでこれらを覚えるだけで勝率がグンと上がります。

 

個人的な今後の話をすると、やはり3~5枚をしっかり覚えていきたいです。これさえ覚えていればという場面がまだまだ多いので。4枚6桁なんかはいくらでも覚える余地があります。それから7枚出しも適度に大きく適度に小さいので役立ちそうです。全出し後の組み切りの足がかりにしたいですね。残りはとりあえず防御用くらいで良いでしょうか、8~9枚はバラバラ1枚抜きくらい覚えておけば25枚から出すだけなら簡単ですし。

 

それと並行して二刀流も実用できるようになり、徐々に完璧に近づけていきたいです。実は、初手の組み切りが上手くて先手なら格上にも5割、6割勝てる、みたいなプレイヤーを目指しているんですよ。

 

そんな感じで、今後もゆるやかにパワーアップしていきます(手の内を明かしてしまったのでこれに基づいた対策が意味をなさないくらいには)。何か参考になれば幸いです。それでは素数大富豪オンラインで待ってます!

合体型3枚二刀流(仮)

素数大富豪好きの皆さんこんにちは、さしみです。最近は原始的な3枚出しを使いこなせるようになってきて、そろそろ上級者相手にも通用する二刀流に手を出そうと思っていました。しかし、57を使った二刀流は使える場合が限定されているというデメリットがあります。そこで、今回は、これまでの3枚二刀流に加えて覚えることでさらに勝ちパターンを増やせる、新しい二刀流戦術を考えてきました。この記事ではそれを紹介し、KQKがある場合に絞って実際にどれくらい使えるのか検証していきたいと思います。

 

各種確率の計算には、こちらの素数大富豪シミュレーションを使っています。最大で各ケース100万回の試行を行っていますが、数値が0.1%程度真の値からズレている可能性があります。

http://searial.web.fc2.com/tools/sosukama.html

 

 

3枚二刀流とは

二刀流とは、手札に切り札となる素数がある場合に、初手の小さい素数に返されてもカマトトされても勝つことができる戦術のことです。こちらの3TKさんによる記事が参考になります。

https://hana3101382283.hatenablog.com/entry/2020/05/31/kaieda

 

ここで紹介されている4枚二刀流のほかにも、3枚や5枚の二刀流が考案されています。3枚二刀流は、57をグロタンカットに消費した上で、3枚3桁→(KQKなど→残りor119KQKなど)という形で組み切るものがメインです。また、合成数型といって3桁を出した残り8枚を合成数で使い切るものもあります。詳しい説明はこちらのマリンさんによる記事を参照してください。

https://marinnonikki.hatenablog.com/entry/2020/11/26/145146

 

3枚二刀流の出現率

始めに、3枚と4枚の手札がカマトトもドローもしない相手に返される確率を提示します。まず、KJQJとKKJはカマトトされなければ0%です。KJTKはKKJを含むので一旦無視し、KTQJとKQKはなんとほぼ同じで23%となります(自分の手札を抜かないシミュレーションです)。確かにこの辺までが強い切り札とされている気がしますね。ただし、上の二つの記事では、それぞれJKJJ(35%返される)とKTJ(38%返される)までが一応有効とされています。

 

今回は特に3枚二刀流が有効で勝ちやすいKQKに焦点を当てるため、23%ラインまでの切り札のみを考えます。また、議論を簡単にするため、KKJは揃えば勝ち、KJQJとKTQJの二刀流は必ず可能と仮定します。このとき、その3つのどれかが揃う確率は36.6%、3つとも揃わないがKQKは揃う確率は41.5%です。ここから、KQKの二刀流が可能なら最善手となる確率を、差の4.9%として以下の議論を進めます(ただし、KQKをKTQJより優先するなら7%など、仮定によってはこれより大きくなることが多いです)。

 

それでは、より上位の切り札は揃わないがKQKの二刀流ができる可能性はどれくらいあるのでしょうか。まずは今までに公開されている57型と合成数型に限って考えてみます。また、KJQJ、KKJ、KTQJおよび対象とする全ての二刀流の組み合わせ(残り3枚については、怪しいが必ず素数が作れるものとする)の出現率をシミュレートして、36.6%と41.5%の間のどの位置にあるかを判断に用います。すると、以下のような値が得られます。

 

全ての57型二刀流:1.4%/4.9%

57KQK自体の出現率:1.7%/4.9%

57型と合成数型:1.5%/4.9%

 

つまり、せっかくKQKが揃っても、それで二刀流ができるかもしれない! となることすら1/3もないのです。これは、他の切り札を無視した場合(7%/23%)も同様です。

 

合体型3枚二刀流(仮)

ここで、二刀流の原理に戻ってみましょう。3枚を出した後、KQKなどを含む残りの8枚と、そこから切り札を抜いた5枚のどちらも相手に行動させることなく処理できれば良いのでした。そして、5枚を一気に出す方法とそれに絵札3枚をつける方法の二つを覚えるのは手間がかかりすぎることから避けられているのでした。

 

では、5枚5桁の素数の後ろにそのままKQKなどをくっつけて素数にすることができれば、覚える数は一つで済むのではないでしょうか? 3枚だとそんな都合の良いことはなかなかありません(代わりに素数をその場で作るのは簡単です)が、5枚なら最大120通りの並べ替えがあります。

 

実際そのような素数はたくさん見つかりました。それどころか、自分自身も素数なのに後ろにKQKをつけてもKJJをつけても素数になるという大変お得な数まであります。ネーミングは難しいですが、私は二刀流に使える素数を合体素数、特に2通り以上の二刀流に使えるものを槍の穂先を付け替えるイメージで穂先素数と呼ぶことにしています。

 

 

上の表には、5枚が全てバラバラなもの(3で割って2余る42種類ほどの組み合わせのうち37種類が合体素数になるのはすごいですね)を中心にKQKの合体素数をまとめました。2468が2枚被るものまでは全て載っているはずです。また、上位互換だがKQKにしかつかないものよりも穂先素数になっているものを優先し、組み合わせが同じものは省きました。

 

左2列が穂先素数、evenは偶数が3枚以上のもの(5を含んでも良いがその場合7は含まない)、57とあるのは57を含むものです。

 

一応使い方も書いておきます。例えば12345999QKKという手札があったときに、最初に499を出し、返されたらKQK→95231、カマトトされたら95231KQKを出すことができます。相手が初めからKKJを持っていたり、先にKQKを出されたりしなければ勝つことができます。

 

覚える順序ですが、穂先素数、偶数が多いもの、その他の順が良いでしょう。57を含むものは57型と出現する機会が被りがちなので余裕があればで構いません(57型の方が若干使いやすいですが無視してこちらだけ覚える手もあると思います)。

 

3枚二刀流の出現率・改

さて、57型と合成数型だけのときと同じように、合体型を加えて出現率をシミュレートしてみましょう。まずは、57を含まない33個全てを覚えた場合を考えます。

 

合体型33個+57型29個全て+合成数型5個:3.1%/4.9%

合体型33個+57型18個:2.9%/4.9%

 

まず、全てを覚えると従来の2倍以上のケースに対応できることが分かります。これは重複を考えるとかなり高いと感じます。下の段について、合成数型は面白いですが、覚える手間を考えると合体型に吸収させた方が楽だと考えました。また、57型のうち3桁全てが異なるものを抽出することにしました。これでもあまり効率は下がりませんね。合体型の威力を見るためにこちらをベースとします。

 

穂先・偶数消費26個+57型18個:2.7%/4.9%

穂先15個+57型18個:2.2%/4.9%

穂先15個:1.5%/4.9%

 

穂先でも偶数消費型でもないものは省いてもそこまで変わりません。奇数が多いものは残りで3枚出しするのも大変ですし覚えなくてもいいかもしれません。しかし、穂先15個まで絞ると流石に目減りします。一番下の段のように、57型を全く覚えなくてもKQKとKJJの二刀流出現率を同時にこれだけ上げられるというのは嬉しいですが。

 

合体型のメリット

ここで、合体型のメリットをまとめておきます。

 

まずは、57がないときでも3枚二刀流ができるという点です。これにより、57型を完璧に覚えている人にも合体型を覚える効果が大きくなっています。

 

次に、今回はKQKを含むものの出現率ばかりに目を向けていましたが、穂先素数については同時にKJJの二刀流もカバーしています。最初に覚える15個は効率が2倍になっているわけです。

 

最後に、5枚5桁の素数を覚えることができるという点も、私を含む初心者~中級者には嬉しいです。偶数消費型でないものまで覚えれば、5と7の両方は含まない5枚5桁バラバラのうち、半分近くは覚えたことになるはずです。初手にKJQJ→57を出した残りや、3枚→KKJで親を取った残りは5枚ですね。今回登場する合体素数は、知らないうちに、これらの組み切りにも貢献してくれるのです。

 

まとめ

長々と書いてしまいましたが、ここで言いたいことをまとめておきます。従来の57型3枚二刀流は一つの記憶量が少なく強力ですが、使えるケースに被りが大きいと考えられます。そこで、素数でありながらそのままKQKの前に付けることで二刀流ができる、合体素数を紹介しました。そのメリットとして、57型が使えない場合の多くをカバーできること、5枚出しを覚えられること、特に穂先素数であればさらに覚える量を減らせることを示しました。

 

実際には、(4枚二刀流も最低限KJQJとKTQJはマスターすることを前提に)57型をある程度覚えつつ、穂先素数と偶数の多い合体素数を覚えていくのがおすすめです。

 

今後の研究では、まず実際に残りの3枚で素数を作ることができる場合がどれくらいあるのかを探りたいです。もし二刀流の8枚が1種類手札にあっても、残りの3枚が詰んでいたら意味がありません。この点は、実際の勝率を探る上で重要であるだけではありません。もしかすると、この記事の方針と異なり、多少カードに被りがあってもできる限りたくさんの二刀流を覚えることが有効という結論が出るかもしれません。

 

次に、合体素数はどのような3枚二刀流についても見つけることができ、特にKKJとKTJのどちらの前にも付けられる穂先素数が有用であると考えられます。今回取りこぼしたKJJのみの合体素数を含め、それらについても調べていきたいです。

 

さらに、やはり5桁の素数機械的に覚えるのは難しいです。語呂合わせもまとめたいですが、まだ試行錯誤している途中で、53441x/59441x「ゴミ吉井/コック吉井」(全国の吉井さんごめんなさい)くらいしかありません。KKJ/KTJ穂先素数とともにまとめて記事にしたいです(3で割った余りが被らないのは、覚えやすいだけでなく、5枚出しが身につく効率も下がらず嬉しいですね)。

 

この記事が参考となり、11枚組み切り戦術の幅が広がれば何よりです。読んでいただきありがとうございました!

3枚3桁の例外の方を覚える

こんにちは、再びさしみです。突然ですが、皆さんは3枚3桁の素数ってどう覚えていますか? 私は覚えていなかったので、この前の大会で863が素数なのを確かめるのに1分使ってしまいました。それだけやって間違えたらと思うと怖いですよね。ということで、安心して3枚出しを組めるようにするために、3枚3桁を覚えてきました。今回は、そのときに使った覚え方や語呂合わせを紹介したいと思います。

 

対象は、素数大富豪を始めたばかりで2枚出しはできるけど3枚出しはあまり知らない、という方になります。手作業で数えたデータがあるので、間違っているところがあれば教えていただけると助かります。

 

 

理論

3枚3桁の素数は、0を含まず、並べ替えて同じになるものを一つとすると、73個あります(たぶん)。523とか82Xとか既に覚えている人が多そうなものもありますが、それを除いても全部覚えるのは大変ですね。

 

そこで、逆に、足して3の倍数にならない組を最大の奇数ができるように並び替えたときに素数にならないものを考えます。これは全部で34個しかありません。しかし、これを全部覚えることでも、記憶にないものは最大並び替え奇数が素数だということが分かるので、3枚3桁を全て覚えたことになります。お得な気がしてきませんか?

 

ちなみに、この発想自体は新しいものではなく、例えばnishimuraさんがその有効性を提示しています。ただ、素数の方を全部覚える前からこれらの組み合わせを語呂まで作って覚えようとした人はまだいないかもしれません。

http://searial.web.fc2.com/tools/sosu2022.html

 

この記事では、3枚が全て異なるもの、重複があるもののそれぞれについて、代わりの素数があるものと詰んでいるもの、という分け方をします。最初は3枚が全て異なるものを覚えるだけでも42個の素数がすぐに判別でき、3枚出しの組み切りが安定すると思います。

 

ABC-other

3枚が全て異なり、最大並び替え奇数以外が最大の素数になるものは以下の12個です。

 

937,691,673,487,439,317,293,271,269,263,257,193

 

これをそのまま各自の方法で覚えれば良いのですが、以下私の覚え方も紹介します。この節のみ覚えやすさを優先して下位互換を使っているものがあります。

 

139,239,439,739: 伊作、二作、与作トリオ。江戸時代っぽい。三人合わせて七作(800台をまたぐのが結構不利な気がするので937を別で覚えるのも有力です)。

127,137: 2枚出しで作れるので実は覚えなくてもいいペア。上位互換が317と271。

257,263,269: 6ずつ等差数列トリオ。

487,673,691: 志波奈るなみ(姉)・るくあ(弟)。令和っぽい。正直無理がある。

 

ABC-dead

3枚が全て異なる、どう並べ替えても素数にならない、いわゆる詰んでるセットは以下の7個です。

 

871,869,851,841,649,529,427

 

869,649: ハムくん、虫くんペア。悪の組織みたいな印象を勝手に持たせる。冒頭で出たハムさんと、虫さんは素数

871,851,841: 8X1トリオ。nishimuraさんにならって481,581,871をセットで「よわい、こわい、ぱない」とするのが覚えやすそう。ちなみに148Xと187Xは四つ子素数

http://searial.web.fc2.com/tools/sosuhajime.html

529: ゴツくは、ない。529871「ゴツくはない」は素数のようだ。

427: 死んでしまう。

 

AAB-other

2枚被っていて、代わりがあるのは以下の7個です。奇数2+1枚は全て素数か3の倍数なので、代わりと言ってもそれぞれ一つしかありえませんね。

 

677,599,499,383,353,233,151

 

599,499: スーパー兄弟。物の値段に100n-1が多いことから。

383,353,233: 33トリオ。2番目に大きいことから一つに定まる。

151,677: 一恋るなな。VTuberみたいの判定基準、もしかして「る」から始まる3文字なのでは。

 

AAB-dead

重複があって詰んでるセットは以下の8つです。ほとんどは詰んでるというより唯一の奇数が潰されてるだけですが。

 

989,889,559,553,551,667,221,611

 

989,889: 89ペア。やばくないは有名ですね。

559,553,551: 55トリオ。557だけ素数

667: 3倍すると2001=3*23*29という2001チェックでおなじみの合成数

221: 13*17=10*(10+3+7)+3*7というテクニカルな計算で出てくる合成数

611: 2枚出しができれば611が素数でないことは分かり、161は小さめの7の倍数(これだけ後から見つけたので考えていませんでした)。

 

実用

12456679JKKという手札を考えます。KKJがあるので3枚→KKJ→残りという組み切りができそうです。この手札の場合は57があるので1,2,4,6,6,9を2つの3枚出しに分けることができれば良いですね。片方の末尾は9が確定しますが、66と42は3の倍数になり、649は詰んでるセットでした。ということで629が考えられますが、これは269だけが素数でしたね。残った札で641を作るとこれは素数だと分かります。これで、641→KKJ→57→269と出せばどんなに強い人が相手でも7割方は勝てますね(10割ではありません。966241のような素数を覚えていれば別ですが、今回は二刀流も難しいですね)。

 

感想

いかがだったでしょうか。3枚3桁なんて上級者の間では常識だと思いますし、覚えたからといって彼らといつも互角に戦えるものではありません。しかし、勝てる試合、掴めるチャンスは覚える前と比べれば劇的に増えると思います。私もこれからですが、3枚出し、4枚出し、それ以上と着実に対応できる範囲を広げていきましょう。

 

また、これだけではKKJで使わないTやQが余りがちになることが多かったです。それらを含む3枚4桁も今度まとめてみたいです。

 

さーて、今日もつよつよCPUに挑むぞ! お、先手でKKJが来た! これはチャンス!! まずは861、これは記憶にないから素数

 

「861は素数ではありません(3の倍数)」

 

は?

 

えっ......?????????????

 

と、いうことがないように気をつけましょう。

マスプライム杯2023参加記

こんにちは、さしみです。この名前で何か書くのも久しぶりですね。先日、素数大富豪というトランプゲームの、マスプライム杯という大会に参加してきました。そこで界隈の方々に大変お世話になったので、参加記を通して少しでもお礼ができればと思い筆を執りました。この記事では、初心者に近い私が大会を通して何を考えていたのかを公開します。長くなってしまいましたが、言いたいことは感想にまとめてあります。

 

素数大富豪を知らない方には分かりづらい内容となってしまいました。代わりにこちらの記事と小説「QK部」を読んで雰囲気を知っていただければと思います。

https://primeqk.themedia.jp/pages/4500251/rules

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882787354

 

 

経緯

私が素数大富豪に出会ったのは、2018年頃です。当時、私はインターネット上で人工言語(人が、語彙や文法を設定することで、意味を表せるようにした言語のこと)に関する活動をしていました。大会で紹介していただいた68615234311X「リパライン語に刺身いい」の「リパライン語」も人工言語の一つです。そのとき、素数大富豪やそれをテーマにした小説「QK部」の存在を目にして、素数大富豪を始めました。素数大富豪オンラインでの対戦もしつつ、一時はかなり没頭していました。

 

時は流れ2023年夏、久しぶりに「QK部」のことを思い出し検索すると、ちょうど完結したばかりでした。そして、素数大富豪を楽しむコミュニティが今も続いていること、近いうちにまた大会が開かれることを知りました。これも何かの縁だと思った私は、マスプライム杯2023に参加することを決めました。

 

大会まで

初心者歓迎、という公式の告知とは裏腹に、参加者は猛者が揃っているようでした。楽しむことが最優先ではありましたが、少しでもトーナメントで勝ち進める可能性を残したいとも思っていました。そこで、8月初めからの1か月で覚えられる戦略を、様々なブログをはしごして探しました。参考になった記事、面白かった記事はいくつもあります。環境を知る上で特に役に立ったのはこの辺りでしょうか。

https://hana3101382283.hatenablog.com/entry/2020/05/31/kaieda

https://graws188390.hatenablog.com/entry/2020/12/21/192411#fn-a7929cf9

https://qk-titech.hatenablog.com/entry/2021/04/15/121300

 

overKJQJの存在、全出しが一般的になっていることなどは「QK部」の時期の知識しかない私にはとても新鮮でした。その中で、私が考えたのは、二刀流か絵札の多い多枚出し、できなければ全出しというものでした。4枚4桁と二刀流、その他有用な素数くらいであれば短い期間で覚えるのも現実的だと思ったのです。これで、タイマンのとき先手番3割、後手番1割の勝率を見込んでいました。今考えると少し甘いですが本当にそれだけ覚えられれば十分可能な数字だとは思います。

 

しかし、やるべきことや他の趣味(言オリなど)が忙しいなどの理由で上記のことは全くせず、特に対戦の練習もしないまま大会は目前に迫ってしまいました。怠惰ですね。前日は諦めてさしみ(343)を含む四つ子素数を探していました。7123432X「ナイフ刺身に」や3431389X「刺身いざ焼く」などですね。ちなみに68615234311Xを見つけたのは始めたての頃です。

 

当日

大会当日、特に寝坊することもなかったのですが、準備不足で外出が遅れ、なんと10分ほど遅刻してしまいました。初参加者の遅刻の電話にも優しく対応していただき、本当に有難かったです。申し訳ありませんでした。

 

抽選は当然最後になり、予選は4人ブロックの配信卓になりました。突然の配信決定に驚きつつ、それまでの試合を眺めながら会場の雰囲気を楽しんでいました。やはりどんな遊びや競技でも、対面だと交流が生まれやすくて良いですね。「QK部」著者のキグロさんともお話しすることができました。

 

スペードブロックの皆さんもとてもフレンドリーで、試合前の雑談でかなり緊張がほぐれました。その前にはもりしーさんの方から話しかけていただいたのですが、おそらく5年前にも名前を見かけたことがある中で微妙な反応をしてしまったのは申し訳なかったです。

 

ところで、界隈が近いということもあるかもしれませんが、言オリの存在がある程度知られていたのは嬉しかったです。参加者の中にはJOLに出たことがある方もいたようですね。

 

予選

カステラさんの数譜を参考にさせていただきました。

https://graws188390.hatenablog.com/entry/2023/09/12/121309

 

さて、ついに試合が始まりました。第一セットは何をしたらいいか分からず、ペナルティで手札を増やしてから親を取ってから思い出したように全出しをしています。しかしこの6726724111が運よく素数で、まさかのリードとなります。1001チェックを簡単に通せる組み合わせだったのは嬉しいですね。これで素数になるのは10桁だと24%と、ない確率ではないようです。

 

第二セット、第三セットはもりしーさんがそれぞれKKJ、KKの鮮やかな組み切りで勝利しました。もりしーさんの実力が突出していることは聞こえてきており、その一端を感じました。そんなもりしーさんに手ごわいと言っていただけたのは嬉しかったですね。どちらも狙ったことではないですが、事前にあまり手の内を明かさなかったり全出しを決めたりしたのが効いたのでしょうか。

 

第四セットは絵札7枚という大物手を持ちながら知識不足が露呈する回となりました。4枚出しを覚えていないと書きましたが、出した四つ子素数の8T43や語呂合わせを除けばほとんど知識がなく、ペナルティの連発となりました。中でも、直前まで頭に、刻みつけようとしていたKTQJを忘れて3の倍数を出してしまったのは痛いですね。このセットはでこぽんさんが522323「ごっつんふみふみ」で取りました。それと、もりしーさんが、私が「QK部」ファンなのを知って44Q3「吉井史」を出してくれたのには思わず笑顔になりましたね。

 

第五セットはまたしても3の倍数を素数だと思って出し、場を和ませました。ペナルティの引きが良く、2回親を取っていい感じに手札を減らせましたが、最後の5枚出しに失敗しました、父さんはしばけないんですね。3T489「佐藤しばく」なら素数のようです。このセットはコロちゃんぬさんが取りました。全員が勝ち切る力を持っていて、誰が抜けてもおかしくないと考えていました。

 

第六セットはジョーカー2枚とまたしても非常に恵まれた手札が来ました。148X「石破」は「QK部」にも顧問の先生の名前として登場します。今度こそKTQJを出してしっかりと勝利しました。KTQJは、先に出されていたらKJQJが必須になり危なかったですが。

 

そしてアディショナルタイムに入った第七セット、まだ全員に予選通過の可能性が残されています。ここでもまた絵札が多く、5689のような素数を知っていればKJQJを軸に組み切れそうでした。実際は何も覚えている4枚の素数がなかったので5Q=2^9を出してみました。この合成数は結構好きです。その後はQKかKJQJが出せると嬉しい、くらいの気持ちでしたが幸運にも親が回ってきたのでKJQJから863で上がることができました。3桁の素数に時間をたっぷり使って割り算をしてしまったのは仕方ありません。

 

余談ですが、77枚の初期手札に絵札とジョーカーが合わせて35枚含まれていたのは、1%台の上振れのようです。

 

幕間

ということで、最後に逆転し、単独3勝で予選を抜けることができました。勝因は手札に恵まれたこと、全出しが決まったこと、ペナルティが最大3枚で手札が多くなりすぎないため多枚出しが少なく、またKJQJなどでほぼ確実に親が取れたことなどでしょうか。幸運とルールに助けられました。ルールに関しては、賛否両論あるようですが、初心者向きであることには完全に同意します。

 

正直、決勝トーナメントに出られるとは思っていなかったので、直前は予選と比べ物にならないほど緊張していました。最も不安だったのは、この大舞台にふさわしい試合ができるかです。マスプライム杯に思い入れのある人の目に、イレギュラーな勝ち方をした私はどう映るでしょうか。楽しむだけならともかく、普段の努力が足りないのにその場でだけ泥臭く勝ちを求めるのはいかがなものか。そのような考えには何度か触れてきました。

 

それでも、予選で対戦したもりしーさんに応援の言葉を頂き、観戦していた方々から休憩時間に話しかけていただいたことで少し安心できました。

 

準決勝

準決勝は圧倒的強者のカステラさんです。何が来てもいつも通り戦うという余裕を感じました。先手番2回ならわずかに勝ち目があると思っていたので、じゃんけんで勝ったときには心の中でガッツポーズをしていました。

 

そして第一セット、予選の豪運からすると物足りないですが悪くない手札であることはすぐに分かりました。KTQKがある、二刀流を覚えておけば良かったかな。それ以前に4桁の素数すらまともに出せなかったのは悔しかったです。結局グロタンカットから全出し、1001チェックをしていないので12%というところでしょうか。外れ、KKQTJから試合を決められました。

 

後手に交代した第二セットは、8枚出しに返せる絵札がなく、負けが確定しました。ここで、トーナメント敗退となりました。

 

さて、拙いところもあるかもしれませんが、初戦についての考察を少しさせてください。やはり初期の手札からは二刀流が、それも4通りできました。一例ですが、最初に6211を出し、返されたらKTQJから877、カマトトされたら778KTQJを出すことで、通常はほとんど勝ちが確定します。今回の場合はKJTKなどを返されうるので上手くいくとは限りませんが、私が思いつく中ではこれが最善手です。

 

懇親会

大会後は懇親会にも参加させていただきました。ここでも素数大富豪をしたほか、数学デーの話を聞き興味を持つなど、得るものは多かったです。

 

感想

まずは、大会でベスト4という成績は、記念になりました。素直に嬉しいです。それから、一対一の対戦は形式は多少違っても「QK部」の世界に入ったようで刺激を受けました。配信で話したことは「パワーアップしてまた来る」とまとめていただきましたが、その通りパワーアップしたい、というモチベーションが湧いています。

 

戦い方が顰蹙を買うようなことも、そもそも全出しが既に一般的になっているという理由もあるでしょうが、少なくとも見える範囲ではありませんでした。対戦した方々は皆、どのような相手に対しても楽しみつつ勝ちを目指していたと感じます。

 

ところで、計算などに集中するあまり、配信で見えにくい札の持ち方をしてしまったのは申し訳ないです、次があれば注意します。

 

大会形式については、一度書いた通り、最強を決めることよりも初心者を受け入れることを重視したものになっていると思います。配信される大きな大会は前者であってほしいという気持ちもよく分かります。これからも様々な大会が開催されていくことを勝手に願っています。個人的には、20枚以上の組み切りに慣れるのはできてもだいぶ先なので、一対一だけどペナルティ3枚までの大会があると楽しいと思います。

 

知らない界隈を覗いてみる、という目的も達成されました。雰囲気になじめないのではないかと不安に思っていましたが、歓迎していただけました。正直なことを言うと、中高生主体のイベントと比べ、自分が楽しむことよりもその会全体を盛り上げることを考えて行動している方が多いと感じました。私は今回楽しむばかりだったので、これからできる範囲で少しでも還元できたらと思います。とりあえず別の界隈にも素数大富豪を布教していきます。

 

最後になりますが参加者の皆さん、スタッフの皆さん、改めてお礼を言わせてください。ありがとうございました!